色々ネタメモ置場。
修正しつつメインに移ったりもします。
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(潔白な夢)

 真っ暗ななか、少年と悪魔は目を合わさず互いに真っ直ぐこちらを見つめている。
 少年の側には少女、悪魔の側には食物がそれぞれ自由な形で動かないまま存在する。

少年「残念です」
悪魔「私は幸せになりたいのよ」
少年「心底、残念です」
悪魔「何故私は幸せになれないのだろうか、何故。理由。不幸にはそれなりの原因が存在してそれ故に私は自らの立場を嚥下する。知りたいなあ、私が不幸である、その原因。理由。幸福を感じ得ない根底、それはなになのかわたしはそ「それはね、先輩」」

 場面が明るくなる。二人は学食で斜め向かいに座り合い、会話をする。二人とも目は合わさない。

少年「時に先輩、貴方いま幾つです」
悪魔「塩」
少年「はい」
悪魔「お茶を一口」
少年「いやです」
悪魔「君の2つ上だよ後輩」
少年「貴方、俺の歳を知らないでしょう」
悪魔「では、1つ上でも3つ上でも構わない。ただし自分が君の年下であると思ったことはないね」
少年「そりゃあ、先輩ですしね。年功序列よりもそのコミュニティに何年所属しているかが問われているのかもしれない。年齢の1つ2つの違いは最早どうでも良い」
悪魔「お茶」
少年「もうご自由に」

 一口の筈が全て飲み干し少年に押しつけるように返す。

悪魔「して、後輩。君は何故私の歳を気にしたのかな」
少年「(コップの中をみて呆れながら)あの子は、年下かなあと」
悪魔「ふふ。気になるの? コミュニティでの所属年数を問うなら、そうね、年下」
少年「お茶、ついできます」
悪魔「では私はあの子の元へと帰ろうかしら」

 悪魔は食物の所へと戻る。少年はそれを見送り、空のコップを一度放ってみせる。冷えて。


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君のくそみたいな信仰をみせてよ
神様あたしをたべてちょうだい
やさしくあんたのテキストをこわしてゆく
倫理観なんて邪魔なものです
たとえばディスプレイのむこう貴方が私にこういうの
飽きちゃった。

あまやかな嫉妬をじりじりと焦がす
絶賛、喫煙週間



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 俺と汐は似ていない。汐と似ていないってことはつまり、俺は、湊や澪とも似ていないってことだ。俺たち兄弟は似ていない。湊と汐と湊の三人は、意識すれば表情がよく似ることがあるけれど、とかく、俺とは似ていない。俺は唯一、兄貴と母親とだけ、似ていた。

「兄ちゃんと渚くんは、にてていいよねー」
「そっ、かー?」
「うん。兄弟っぽいじゃん。うらやましい」

 あたし、兄ちゃんっぽくもないし渚くんっぽくもないもん。汐はだるそうに百マス計算を埋めながら(さっきから一行しか進んでいないけど、解いた時間の欄には既に3分2秒と書かれていた。根本的なところで、汐は兄貴に似てるのかもしんない)、ちょっと口を尖らせた。
 前に、何で俺は兄ちゃんで兄貴は“ナギサクン”なのか聞いたら、「渚くんのがかっこいいから!」と一言でぶったぎられたのを思い出す。顔面同じなんだけど。兄貴より俺のが愛想いいんだけど。お前、男の趣味なんとかしなよ。

「似てっかな」
「うん。顔と、声!」
「え、声。マジ?」

 あー、あー、と、マイクのテストをするように声を出す。あ、それ、その声似てる! 汐は短い鉛筆を放り出し、俺を指差して楽しそうに笑った。笑ったときの顔は、ちゃんと、父親に似ている気がしてほっとする。


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バレンタイン小ネタ

「黒梨」
「ああ、おはよう時姫」
「ねえ、」
「冷蔵庫にあるからどーぞ」
「よくわかってるじゃない」
「お前のは一番上にある生チョコだからな。他の食うなよ」
「わかってるわよ」
「酒入れてないから」
「……、ありがと」


「おっはよう黒梨くん! あのね今日が何の日だか知ってる? 知ってるよね、そう! そうです! バレンタインですね! バレンタイン、女の子が男の子にチョコレートを渡したりするある種の聖戦ですが、つまりどういうことだかわかる? 友達の滅法少ない僕といことに黒梨くんが優しくチョコレートを渡して慰めてあげたりする感じの愛情が」
「朝からお前忙しいな」
「つまるところギブミーチョコレート」
「冷蔵庫にトリュフ。ハイミルク」
「あいしてる!」
「お断りします」

「俺は」
「いことはミルクチョコレート苦手だったろ」
「……だからって」
「だから、ビターで作ったのが隣においてあるよ」
「え」
「当たり前だっつーの」
「いまお前が暗清黒梨でなく二次元のちょっと強気女子だったら結婚考えた」
「……お断りします」


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愛誕生日(遅刻)

ネタです。ツイッターで遊んでた慎さんの「あいちゃんなう!」的なやつの続き。

「愛を挨拶がてら抱き締めたいです」
「お断りします」
「多分抱き締めたら全力で無言目潰しというツンデレなお返事をくれるので全て笑って受け入れて目玉ごと捧げたいです」
「お断わりします」
「あ、別に耳をちぎるんでもいいですよ。勿論かまいませんよ。寧ろ大歓迎です」
「お断わりします」
「それでまあ多分結局愛は抱き締めても目玉も耳もなにもしないで溜め息で許してくれるので、そのあとはデートに誘いたいです」
「お断わりします」
「最初は古本屋とかに連れていってそれから別に興味ないとか言ってる愛を総無視して洋服とアクセサリーを見に行きたいです。そして愛に似合うものを片っ端から買って愛を困らせたいです」
「お断わりします」
「それからやっぱり愛は何を着ても可愛いですねと笑顔で言って馬鹿じゃないですかと言われるんですけどそれでもめげずに口説き続けたいです」
「お断わりします」
「多分でも真顔で真剣に言っちゃうと愛が恥ずかしがって調子出なくなって落ち込みそうなのでマジレス気味になるのはそっと避けたいです」
「お断わりします」
「それから最後にちょっと良い喫茶店に入ってでも全然甘えないでコーヒー一つとか言っちゃう愛に勝手にアップルパイを頼むとちょっと無言でにらまれるんですけど結局食べだす愛が見たいです」
「お断わりします」
「いまの全部が僕の本日の予定であり現在二月四日を迎えておりつまりは全力であなたの誕生日を祝わせてください」
「……勝手になさい」


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